⛩ やしろめぐりyashiromeguri
横木に掛かる3枚の絵馬。中央の一枚に弓矢が描かれた千代紙風の図案

武運長久

武運
勝負運

武運長久は、武人としての運が長く続くことを願う祈りです。今日この名で祈祷を掲げる社は多くありません。同じ願いは「必勝祈願」「勝運」と名を変えて受け継がれています。当サイトでは、八幡信仰の歴史を語るうえで欠かせない祈願として扱っています。

武家の祈りから、勝負ごとの祈りへ

八幡神が武神とされるようになった経緯ははっきりしています。平安京の裏鬼門を守る社と位置づけられた石清水八幡宮で、源義家が7歳のときに元服して「八幡太郎義家」と名乗り、以後、八幡神は源氏の氏神として仰がれました。源頼義による壺井八幡宮、頼義・頼朝による鶴岡八幡宮など、源氏の広がりとともに各地へ勧請され、清和源氏の流れをくむ足利氏・徳川氏・今川氏・武田氏も氏神として崇敬したことで、武神・弓矢の神・必勝の神としての性格が固まりました。武家が消えたのちも祈りは残り、近代には出征する兵士の無事を願う言葉として広く用いられました。

いま、この名で受けられるのか

石清水八幡宮・筥崎宮・大宮八幡宮の祈願案内を見ると、掲げられているのは「必勝祈願」で、武運長久の名は出てきません。太宰府天満宮も「競技必勝」「選挙当選」と、対象を今日の言葉に置き換えています。武運長久という言葉が残っているのは、古い絵馬や奉納品、社の由緒書きのなかです。大崎八幡宮には、伊達政宗の寄進による社殿とともに、絵馬に武運長久を祈る形が伝わります。なお、この下の一覧に多くの社が並ぶのは、当サイトが主祭神(誉田別命)から機械的に導いているためで、各社が公式に掲げている祈願名ではありません。一覧のカードに付いた「祭神から」がその印です。

武運長久の基本——いまの扱いと、受け継いだ祈願

この祈願の現在地を示す欄です。掲げる社が限られる以上、読みどころは授与品よりも「どの名に受け継がれたか」にあります。

現在の扱い
この名で掲げる社は限られる
同じ願いは必勝祈願・勝運として受け継がれています
よく見る授与品
勝守・破魔矢
結びつく信仰
八幡信仰
源氏の氏神として武神の性格が固まりました
現代の対応する祈願
必勝祈願
スポーツ・受験・選挙など相手のある事柄に

武運長久と結びつく神さま

八幡神が武神とされたのは、清和源氏が氏神として仰いだことによります。源義家が石清水八幡宮で元服して「八幡太郎」と名乗り、源氏の広がりとともに各地へ勧請されたことで、弓矢の神としての性格が固まりました。東国には、これとは別系統の武神を祀る社もあります。

弓矢を執る武神とされ、源氏の氏神として仰がれました。武運長久の祈りは、この神に向けられたものが中心です。
武甕槌大神・経津主大神
鹿島神宮・香取神宮の祭神で、ともに武の神とされます。八幡信仰とは別系統ですが、武にまつわる祈願を古くから引き受けてきた神です。
息長帯比売命おきながたらしひめのみこと
八幡神の母にあたる神として数多くの武人が崇拝した
出典: ja.wikipedia.org ↗

武運長久の神社

全国で名高い社

武運長久で名の知られた社は二つの筋に分かれます。応神天皇や源氏にゆかりがあり、武家の祈りの跡が境内に残る八幡宮と、神話に由来する武の神そのものを祀る東国の社です。

※ 全国的に知られた社を挙げています。当サイトに掲載済みの社にはリンクがあり、「当サイト未掲載」とあるものは今後の収集対象です。並びは知名度や格の順ではありません。

当サイトの掲載社(掲載132社のうち78社)

上に挙げた4社をのぞき、総本宮・社格・称号の順に16社を表示しています。

石清水八幡宮二所宗廟別表神社二十二社勅祭社
いわしみずはちまんぐう ・ 京都府 ・ 官幣大社祭神から詳しく →
鹿児島神宮別表神社大隅国一宮
かごしまじんぐう ・ 鹿児島県 ・ 官幣大社祭神から詳しく →
筥崎宮日本三大八幡別表神社筑前国一宮
はこざきぐう ・ 福岡県 ・ 官幣大社祭神から詳しく →
新田神社薩摩国一宮別表神社
にったじんじゃ ・ 鹿児島県 ・ 国幣中社祭神から詳しく →
函館八幡宮別表神社
はこだてはちまんぐう ・ 北海道 ・ 国幣中社祭神から詳しく →
鶴岡八幡宮
つるがおかはちまんぐう ・ 神奈川県 ・ 国幣中社祭神から詳しく →
藤崎八旛宮別表神社
ふじさきはちまんぐう ・ 熊本県 ・ 国幣小社祭神から詳しく →
柞原八幡宮豊後国一宮別表神社
ゆすはらはちまんぐう ・ 大分県 ・ 国幣小社祭神から詳しく →
若宮八幡社(名古屋市)別表神社
わかみやはちまんしゃ ・ 愛知県 ・ 県社祭神から詳しく →
盛岡八幡宮別表神社
もりおかはちまんぐう ・ 岩手県 ・ 県社祭神から詳しく →
桜山八幡宮別表神社
さくらやまはちまんぐう ・ 岐阜県 ・ 県社祭神から詳しく →
亀山神社別表神社
かめやまじんじゃ ・ 広島県 ・ 県社祭神から詳しく →
鮎貝八幡宮別表神社
あゆかいはちまんぐう ・ 山形県 ・ 県社祭神から詳しく →
寒河江八幡宮別表神社
さがえはちまんぐう ・ 山形県 ・ 県社祭神から詳しく →
谷地八幡宮別表神社
やちはちまんぐう ・ 山形県 ・ 県社祭神から詳しく →
亀山八幡宮別表神社
かめやまはちまんぐう ・ 山口県 ・ 県社祭神から詳しく →
このほかの掲載社

琴崎八幡宮・日牟禮八幡宮・平塚八幡宮・八幡朝見神社・厳原八幡宮神社・平濱八幡宮・大宮八幡宮・宇美八幡宮・甲宗八幡神社・飛幡八幡宮・曩祖八幡宮・井草八幡宮・伊佐爾波神社・水戸八幡宮・吉川八幡宮・鎮守府八幡宮・生目神社・離宮八幡宮・玉村八幡宮・琴弾八幡宮・若宮八幡宮(高知市)・古尾谷八幡神社・亀山八幡神社・武田八幡宮・金澤八幡宮・日吉八幡神社・府八幡宮・飯香岡八幡宮・百舌鳥八幡宮・富岡八幡宮・下野國一社八幡宮・手向山八幡宮・放生津八幡宮・大塩八幡宮・蒲生八幡神社(北九州市)・大分八幡宮・飯野八幡宮・柏原八幡宮・木本八幡宮・若宮八幡宮社・三条八幡宮・叶神社・鶴嶺八幡宮・櫛引八幡宮・吉川八幡神社・有川神社・金王八幡宮・六郷神社・宇佐八幡神社(神山町)・篠村八幡宮・富岡八幡宮(横浜)・壺井八幡宮・奥澤神社・下高井戸浜田山八幡神社・坂本八幡宮・安里八幡宮・福山八幡宮・富賀岡八幡宮

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※ 並び順は旧社格(1946年に廃止された近代の格付け)と、総本宮・一宮などの称号にもとづくものです。格の高さがご利益の大きさを表すものではありません。 「祭神から」は、その社の主祭神に伝わるご利益から導いたもので、各社が公式の祈願名として掲げているとは限りません。

武運長久のよくある質問

武運長久はいま受けられますか?▾
この名で祈祷を掲げる社は限られています。勝負ごとの祈願であれば「必勝祈願」「勝運」として受け付けている社がほとんどです。
なぜ八幡宮が武の神なのですか?▾
源義家が石清水八幡宮で元服して「八幡太郎」と名乗って以来、八幡神が源氏の氏神として仰がれたためです。源氏の広がりとともに各地に八幡宮が勧請され、武神としての性格が固まりました。
必勝祈願との違いは何ですか?▾
武運長久は武人としての運が長く続くことを願うもので、期限がありません。必勝祈願は特定の勝負に臨むにあたって受けるものです。
勝守と破魔矢はどう違いますか?▾
勝守は勝負に臨む人が身につける御守、破魔矢は正月に授与される縁起物です。どちらも邪を退ける弓矢の信仰につながっています。
  • 武運長久は近代の戦時に広く用いられた語でもあります。当サイトでは八幡信仰の歴史を説明する語として扱っています。
  • 八幡神が武神とされた経緯には複数の説明があり、源氏との結びつき以前の性格については研究上の議論があります。
最終確認日:2026-08-27