⛩ やしろめぐりyashiromeguri
親犬と2匹の子犬、その横に巻いた腹帯を置いた千代紙風の図案

安産祈願

安産・子安
子ども・家庭

安産祈願は、母子ともに無事な出産を願う祈りです。妊娠5か月目の戌の日に腹帯を巻いて祈祷を受ける習わしが広く行われていますが、戌の日でなければならない決まりはなく、体調のよい日を選ぶものとされています。妊婦本人が参れないときに家族が代わりに受ける形もあります。出産後は初宮参りでお礼と報告に伺い、子育ての祈願へと続いていきます。

戌の日と腹帯——習わしの成り立ち

妊娠5か月の戌の日に腹帯(岩田帯)を締める「帯祝い」は、江戸期には広く行われていたことが知られています。戌の日を選ぶのは、犬がお産が軽く多産であることにあやかったものと伝えられます。腹帯には冷えから守り、胎児の位置を安定させるという実用の意味に加えて、無事な出産への願いが重ねられてきました。神社では、持参した腹帯に祈祷を受ける形と、社が用意した帯を授与する形の両方があります。戌の日は12日に一度めぐってくるので、5か月目に必ず2〜3回あります。

どんなときに受ける祈願か

妊娠5か月の戌の日に
帯祝いの日にあわせて受けるのが通例です。戌の日は12日に一度めぐってくるので、5か月目のあいだに2〜3回あります。日取りにこだわりすぎず、体調のよい日を選ぶものとされています。
体調がすぐれないとき
妊婦本人が参れないときは、家族が代理で祈祷を受けられる社が少なくありません。無理をせず、代理をお願いする形が広く行われています。
無事に生まれたら
初宮参りでお礼と報告に伺います。石清水八幡宮は「初宮参り祈願」、大宮八幡宮・亀戸天神社は「初宮詣」を、いずれも安産祈願と並べて掲げています。
八幡宮でなくても受けられる
天満宮にも安産を掲げる社があります。太宰府天満宮は「安産祈願・初宮参り」、亀戸天神社は「安産祈願」を願意に立てています。

安産祈願の基本——戌の日・授与品・出産後

戌の日の数え方と、腹帯・授与品の目安です。腹帯を持参するか社で受けるかは分かれるので、参拝先の扱いを先に確かめておくと当日が楽になります。

主に祈願される時期
妊娠5か月目の戌の日
戌の日は12日ごと。体調を優先して差し支えありません
よく見る授与品
安産守・腹帯(岩田帯)・子安のお札
結びつく信仰
八幡信仰
神功皇后が応神天皇を産んだ故事から
出産後
初宮参り
男児は生後31日、女児は32日ごろが目安(地域差あり)

安産祈願と結びつく神さま

八幡宮が安産の社として知られるのは、八幡三神に母となった神が並んで祀られているからです。神功皇后が遠征の帰路に筑紫で応神天皇を産んだと伝えられ、その母子がそろって祀られています。特定の神徳というより、母子が並ぶという祀り方そのものが由来にあたります。

応神天皇の母。遠征の帰路に筑紫で出産したと伝えられ、八幡宮における安産信仰の中心にいます。八幡三神の一柱として、多くの八幡宮で誉田別命と並んで祀られています。
応神天皇の神霊。母子がそろって祀られていることが、八幡宮が安産・子育ての祈願を受けとめてきた理由です。

安産祈願の神社

全国で名高い社

安産で名の知られた社は三つの筋に分かれます。応神天皇の生誕や母神の伝承にゆかりのある社、武家の安産祈願の跡が境内に残る社、そして土地ごとに子授け・安産の信仰を集めてきた社です。

※ 全国的に知られた社を挙げています。当サイトに掲載済みの社にはリンクがあり、「当サイト未掲載」とあるものは今後の収集対象です。並びは知名度や格の順ではありません。

当サイトの掲載社(掲載132社のうち49社)

上に挙げた4社をのぞき、総本宮・社格・称号の順に16社を表示しています。

石清水八幡宮二所宗廟別表神社二十二社勅祭社
いわしみずはちまんぐう ・ 京都府 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
鹿児島神宮別表神社大隅国一宮
かごしまじんぐう ・ 鹿児島県 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
筥崎宮日本三大八幡別表神社筑前国一宮
はこざきぐう ・ 福岡県 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
新田神社薩摩国一宮別表神社
にったじんじゃ ・ 鹿児島県 ・ 国幣中社出典で確認詳しく →
藤崎八旛宮別表神社
ふじさきはちまんぐう ・ 熊本県 ・ 国幣小社祭神から詳しく →
千栗八幡宮肥前国一宮別表神社
ちりくはちまんぐう ・ 佐賀県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
柞原八幡宮豊後国一宮別表神社
ゆすはらはちまんぐう ・ 大分県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
亀山神社別表神社
かめやまじんじゃ ・ 広島県 ・ 県社祭神から詳しく →
亀山八幡宮別表神社
かめやまはちまんぐう ・ 山口県 ・ 県社祭神から詳しく →
日牟禮八幡宮別表神社
ひむれはちまんぐう ・ 滋賀県 ・ 県社祭神から詳しく →
平塚八幡宮別表神社
ひらつかはちまんぐう ・ 神奈川県 ・ 県社祭神から詳しく →
八幡朝見神社別表神社
はちまんあさみじんじゃ ・ 大分県 ・ 県社祭神から詳しく →
厳原八幡宮神社対馬国一宮
いづはらはちまんぐうじんじゃ ・ 長崎県 ・ 県社祭神から詳しく →
平濱八幡宮別表神社
ひらはまはちまんぐう ・ 島根県 ・ 県社祭神から詳しく →
甲宗八幡神社別表神社
こうそうはちまんじんじゃ ・ 福岡県 ・ 県社祭神から詳しく →
飛幡八幡宮別表神社
とびはたはちまんぐう ・ 福岡県 ・ 県社祭神から詳しく →

※ 並び順は旧社格(1946年に廃止された近代の格付け)と、総本宮・一宮などの称号にもとづくものです。格の高さがご利益の大きさを表すものではありません。 「祭神から」は、その社の主祭神に伝わるご利益から導いたもので、各社が公式の祈願名として掲げているとは限りません。

腹帯は持参する?授かる?

社によって扱いが分かれます。自分で用意した腹帯を持参して祈祷を受ける形、社の授与品として腹帯をいただく形、その両方に対応する形があります。妊婦本人が行けない場合、家族が代理で祈祷を受けられる社も少なくありません。体調を優先し、無理をしないことがなにより大切です。受付時間・初穂料・腹帯の扱いは社ごとに異なり、当サイトでは未確認の社が多くあります。参拝前に公式サイトでご確認ください。

安産祈願のよくある質問

戌の日でないと祈願できませんか?▾
そのようなことはありません。戌の日は縁起のよい日とされてきた習わしで、多くの社は日を問わず受け付けています。体調のよい日を選んでください。
なぜ八幡宮が安産の神さまなのですか?▾
八幡三神の一柱である神功皇后が、遠征の帰路に筑紫で応神天皇を産んだと伝えられるためです。母子がそろって祀られていることから、安産・子育ての祈願を受けとめてきました。
腹帯は持って行くべきですか?▾
社によります。持参した帯に祈祷を受ける社、授与品として帯をいただける社の両方があります。参拝前に確認しておくと安心です。
妊婦本人が行けない場合はどうすればよいですか?▾
家族による代理祈願を受け付けている社が多くあります。体調が優れないときは無理をせず、代理をお願いしてください。
初宮参りはいつ行くものですか?▾
男児は生後31日、女児は32日ごろを目安とするのが通例ですが、地域差があります。石清水八幡宮・大宮八幡宮・亀戸天神社はいずれも初宮の祈願を安産と並べて掲げており、続けて受ける形が一般的です。
  • 戌の日・腹帯の習わしには地域差があり、時期や作法が異なる場合があります。
  • 神功皇后の出産にまつわる伝承は記紀の記述にもとづくもので、史実としての年代は確定していません。
最終確認日:2026-08-27