
厄除け
厄祓い・災難除け
厄除・方除
厄除け(やくよけ)は、身にふりかかる災いをあらかじめ祓っておく祈願です。数え年で男性42歳・女性33歳を大厄とする厄年がよく知られており、その前後の年を前厄・後厄と呼んで三年がかりで慎むのが通例です。受けるのは厄年の人だけではありません。引っ越しの方角が気になるとき、家や店を新しくするときにも、それぞれ別の名の祓いが用意されています。時期は年の初めに集中しますが、年内であれば受け付ける社がほとんどです。
「祓う」と「除ける」——厄除けが引き受けているもの
厄除けは、すでに身についた穢れや災いを祓い落とす「厄祓い」と、これから来る災いを寄せつけないようにする「厄除け」の両方を含んだ言葉として使われています。神社では大祓詞などを奏上して罪穢れを祓い、以後の平穏を祈ります。筥崎宮は厄除開運の祈願を「これから益々運が開けますように、また厄災が寄り付きませんように、邪気がことごとく自分の身辺から退散していきますようにとお祈りする祈願です」と説明しており、災いを祓うことと運が開けることがひと続きに語られています。似た祈願に「方位除け(方除け)」がありますが、こちらは家相や引っ越しの方角、九星による凶方位を対象としたもので、厄年とは別の体系です。
どんなときに受ける祈願か
厄年を迎えたとき
石清水八幡宮は本厄を男性25歳・42歳・61歳、女性19歳・33歳・37歳・61歳とし、その前後の年を前厄・後厄として掲げています(いずれも数え年)。本厄の一年だけでなく、三年を通して慎むのが通例です。
厄年ではない節目の年に
石清水八幡宮は厄年とは別に「廻り年」として13歳・25歳・37歳・49歳・61歳・73歳・85歳・97歳(数え年)を掲げています。13歳は十三参りの年にあたります。
引っ越しの方角が気になるとき
この場合は厄除けではなく「方除」「八方除」が受け持ちます。石清水八幡宮は八方除祈願・方除祈願を、大宮八幡宮は方位除けを、いずれも厄除けとは別の項目として案内しています。
家や店を新しくするとき
社殿での祈祷ではなく、神職が現地へ出向く出張祭典になります。大宮八幡宮は地鎮祭・上棟祭・竣功祭・開店・開所・家の祓いを案内しています。
厄除けの基本——年齢・時期・授与品
厄年の年齢と、祓いを受ける時期の目安です。年齢は数え年で数え、数え始めを元日とするか立春とするかは社によって異なります。
主に祈願される時期
年明け〜節分(2月上旬)
厄年は年の初めに祓うのが通例
大厄
男性42歳/女性33歳(数え年)
前後の年を前厄・後厄と呼びます
よく見る授与品
厄除守・方位除守・破魔矢
結びつく信仰
八幡信仰ほか
弓矢で邪を退ける武神としての性格から
厄除けと結びつく神さま
厄除けを引き受けてきた神は一柱ではありません。弓矢で邪を退けるとされる八幡さまと、疫病を鎮めるとされる祇園さまが代表で、由緒の系統は別です。当サイトは八幡・天神を先に整備しているため、下に並ぶ掲載社は八幡宮に偏ります。
弓矢を執る武神とされ、邪を退け災いを祓う力が期待されてきました。八幡宮で授与される破魔矢は、この性格をよく表しています。
疫病を鎮める神として信仰され、八坂神社をはじめとする祇園社・天王社で祀られます。八幡信仰とは別系統ですが、災厄除けの代表的な神です。
掲載社のうち、このご利益を掲げる社に祀られている神
誉田別命(22社)息長帯比売命(19社)仲哀天皇(8社)比売大神(6社)玉依姫命(6社)菅原道真(3社)住吉三神(3社)多紀理毘売命(3社)武内宿禰(3社)八幡大菩薩(2社)市杵島姫命(2社)多岐津姫命(2社)天照大神(1社)彦火火出見尊(1社)伊弉諾尊(1社)木花之佐久夜毘売(1社)瓊瓊杵尊(1社)
※ これは「このご利益を掲げる神社に、どの神が祀られているか」を数えたものです。神さまとご利益の因果を示すものではありません。
厄除けの神社
全国で名高い社
厄除けで名の知られた社は、大きく三つの筋に分かれます。都の裏鬼門を守るために置かれた社、鬼や疫病を祓う祭礼を伝える社、そして武神を祀り邪を退けるとされてきた八幡宮です。
石清水八幡宮三大八幡・国家鎮護詳しく →
京都府八幡市。平安京の裏鬼門(南西)を守る社として朝廷の崇敬を集め、厄除けの社として知られます。願意は「厄除開運祈願」で、厄年・廻り年の一覧を掲示しています。
宇佐神宮八幡総本宮詳しく →
大分県宇佐市。全国約4万社の八幡宮の総本社で、厄除開運の祈願を受け付けています。
鶴岡八幡宮武家の守護神詳しく →
神奈川県鎌倉市。源頼朝が鎌倉の中心に据えた社で、鎌倉の総鎮守として厄除けの信仰を集めます。
筥崎宮三大八幡詳しく →
福岡市東区。厄除開運の祈願を専用の案内で受け付けており、初穂料ごとの授与品まで示しています。
吉田神社当サイト未掲載
京都市左京区。追儺式を伝える節分祭で知られ、厄除けの参拝者が集まります。
八坂神社当サイト未掲載
京都市東山区。疫病を鎮める祇園信仰の中心で、災厄除けの社として全国に分社があります。
※ 全国的に知られた社を挙げています。当サイトに掲載済みの社にはリンクがあり、「当サイト未掲載」とあるものは今後の収集対象です。並びは知名度や格の順ではありません。
当サイトの掲載社(掲載132社のうち25社)
上に挙げた4社をのぞき、総本宮・社格・称号の順に16社を表示しています。
北野天満宮二十二社天満宮総本社別表神社
きたのてんまんぐう ・ 京都府 ・ 官幣中社出典で確認詳しく →
太宰府天満宮天満宮総本宮別表神社
だざいふてんまんぐう ・ 福岡県 ・ 官幣中社出典で確認詳しく →
鹿児島神宮別表神社大隅国一宮
かごしまじんぐう ・ 鹿児島県 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
新田神社薩摩国一宮別表神社
にったじんじゃ ・ 鹿児島県 ・ 国幣中社記事の記述から詳しく →
藤崎八旛宮別表神社
ふじさきはちまんぐう ・ 熊本県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
千栗八幡宮肥前国一宮別表神社
ちりくはちまんぐう ・ 佐賀県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
柞原八幡宮豊後国一宮別表神社
ゆすはらはちまんぐう ・ 大分県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
谷地八幡宮別表神社
やちはちまんぐう ・ 山形県 ・ 県社記事の記述から詳しく →
日牟禮八幡宮別表神社
ひむれはちまんぐう ・ 滋賀県 ・ 県社記事の記述から詳しく →
大宮八幡宮別表神社
おおみやはちまんぐう ・ 東京都 ・ 府社出典で確認詳しく →
鎮守府八幡宮
ちんじゅふはちまんぐう ・ 岩手県 ・ 県社出典で確認詳しく →
誉田八幡宮
こんだはちまんぐう ・ 大阪府 ・ 府社出典で確認詳しく →
富岡八幡宮
とみおかはちまんぐう ・ 東京都 ・ 府社出典で確認詳しく →
手向山八幡宮
たむけやまはちまんぐう ・ 奈良県 ・ 県社出典で確認詳しく →
蒲生八幡神社(北九州市)
かもうはちまんじんじゃ ・ 福岡県 ・ 県社記事の記述から詳しく →
大分八幡宮
だいぶはちまんぐう ・ 福岡県 ・ 県社出典で確認詳しく →
※ 並び順は旧社格(1946年に廃止された近代の格付け)と、総本宮・一宮などの称号にもとづくものです。格の高さがご利益の大きさを表すものではありません。
厄年は数え年で数えます
厄年は満年齢ではなく数え年(生まれた年を1歳とし、元日ごとに1つ加える)で数えるのが通例です。祓いを受ける時期は年明けから節分までとされることが多いものの、年内であればいつでも受け付ける社がほとんどです。祈祷後にいただいた御札は神棚か、目線より高い清浄な場所に納め、一年で新しくします。受付時間・初穂料は社ごとに異なり、当サイトでは未確認の社が多くあります。参拝前に公式サイトでご確認ください。
厄除けのよくある質問
厄年は数え年ですか、満年齢ですか?▾
数え年で数えるのが通例です。生まれた年を1歳とし、元日ごとに1つ加えます。社によっては立春を区切りとする場合もあるため、掲示や公式サイトの一覧を確認するのが確実です。
厄除けと厄祓いは違いますか?▾
厳密には、すでにある穢れを落とすのが「厄祓い」、これから来る災いを寄せつけないのが「厄除け」とされますが、実際にはほぼ同じ意味で使われています。社によって呼び方が異なるだけと考えて差し支えありません。
厄年以外に受けてもよいですか?▾
受けられます。ただし、引っ越しの方角が気になる場合は「方除」「八方除」、家や店を建てる場合は地鎮祭・上棟祭といった出張祭典と、名前が分かれています。どれにあたるかは参拝先の案内で確かめられます。
廻り年とは何ですか?▾
石清水八幡宮が厄年とは別に掲げている年齢で、13歳・25歳・37歳・49歳・61歳・73歳・85歳・97歳(数え年)を指します。13歳は十三参りの年にあたります。扱いは社によって異なります。
方位除けとは何が違うのですか?▾
厄年という年齢の節目を対象とするのが厄除け、家相や引っ越しの方角・九星による凶方位を対象とするのが方位除けです。別の体系なので、両方を受ける方もいます。
- 厄年の年齢や数え方の起点(元日か立春か)は社によって異なります。参拝先の掲示に従ってください。
- 本文に挙げた厄年・廻り年の年齢は石清水八幡宮の掲示によるもので、社によって並びが異なります。
- 厄年の起源は陰陽道に求める説が知られていますが、確定した定説はありません。
最終確認日:2026-08-27