⛩ やしろめぐりyashiromeguri
熊手と福笹を並べた千代紙風の図案

商売繁盛

事業繁栄
金運・商売

商売繁盛は、商いが栄えることを願う祈願です。個人の商いは「商売繁盛」、会社や団体は「社運隆昌」「事業繁栄」と名を分けている社があります。石清水八幡宮は「社運隆昌・商売繁盛」、筥崎宮は「商売繁盛 社運隆昌/安全祈願」、太宰府天満宮は「商業繁栄・業務繁栄」として掲げています。年の初めに集中しますが、通年受け付ける社がほとんどです。

えびすと稲荷——商売繁盛を支えた二つの流れ

えびすは漁業と市の神とされ、やがて商いの神として広く信仰されるようになりました。兵庫県西宮市の西宮神社が「えびす宮総本社」を称し、大阪の今宮戎神社では毎年1月9日から11日にかけて十日戎が行われます。もう一つの流れが稲荷信仰です。稲荷はもともと稲の実りの神でしたが、江戸期には商家や町人の守り神として市中に無数の社が勧請され、京都の伏見稲荷大社を総本宮として全国に約3万社あるといわれます。稲荷の祭日である2月最初の午の日を初午といいます。これに江戸の酉の市が加わりました。11月の酉の日に立つ市で、福を掻き込むとされる熊手が売られます。企業が受ける祈祷では「商売繁盛」ではなく「社運隆昌」「事業繁栄」と呼ぶことも多く、内容は同じものと考えて差し支えありません。

どんなときに受ける祈願か

年の初めに
1月9日から11日の十日戎で福笹を受け、2月最初の午の日である初午に稲荷へ参る形が長く行われてきました。11月の酉の市で熊手を求めるのも同じ流れにあります。
会社や団体で受けるとき
「社運隆昌」の名で法人向けの項目を設けている社があります。石清水八幡宮は「社運隆昌・商売繁盛」、筥崎宮は「商売繁盛 社運隆昌/安全祈願」を一つの項目にまとめています。
店や事務所を開くとき
社殿での祈祷ではなく、神職が現地へ出向く出張祭典になります。筥崎宮は開店祓を、大宮八幡宮は開店・開所を、それぞれ出張祭典として案内しています。
市場や門前町の鎮守に参るとき
商いの町に鎮まる社では、学業や厄除けと並んで商売繁盛が掲げられます。大阪天満宮は祈祷の項目に商売繁昌を、錦天満宮は錦市場の東端で商売繁盛をご利益に挙げています。

商売繁盛の基本——祭りの日・授与品・別の呼び名

祭りの日と、法人で受けるときの呼び名の目安です。名前が変わるだけで、願う中身は同じものと考えて差し支えありません。

主に祈願される時期
十日戎(1月9〜11日)・初午(2月)・酉の市(11月)
通年受け付ける社がほとんどです
よく見る授与品
商売繁盛札・福笹・熊手
別の呼び方
社運隆昌・事業繁栄・営業繁栄
法人で受ける場合はこの名で案内されることがあります
結びつく信仰
えびす信仰・稲荷信仰

商売繁盛と結びつく神さま

商売繁盛を担ってきたのは、えびす信仰と稲荷信仰という二つの流れです。八幡宮・天満宮がこの願いを掲げるのは、どちらかの神を祀るからではなく、門前町や市場を抱えて発展した社が地域の商いと結びついてきたことによります。

えびす神(事代主神・蛭子神)
漁業と市の神とされ、のちに商いの神として広く信仰されました。祀る社によって事代主神とする場合と蛭子神とする場合があります。八幡・天神とは別系統です。
宇迦之御魂神(お稲荷さん)
稲の実りを司る神とされ、江戸期には商家の守り神として市中に数多く勧請されました。伏見稲荷大社を総本宮とする稲荷信仰の中心にいます。
学問の神として知られますが、市場や商店街の鎮守として祀られる天満宮もあり、そうした社では商売繁盛が学業とならんで掲げられています。
市杵島姫命いちきしまひめのみこと
商売繁盛の神として信仰されている
出典: ja.wikipedia.org ↗
掲載社のうち、このご利益を掲げる社に祀られている神

※ これは「このご利益を掲げる神社に、どの神が祀られているか」を数えたものです。神さまとご利益の因果を示すものではありません。

商売繁盛の神社

全国で名高い社

商売繁盛で名の知られた社は三つの筋に分かれます。えびす・稲荷という商いの信仰の総本社、市場や門前町の鎮守として発展した社、そして祈願を専用の案内で受け付けている社です。

大阪天満宮天神橋筋の天神さん詳しく →
大阪市北区。祈願種目に商売繁昌を掲げ、戦後途絶えていた十日戎を2007年に「天満天神えびす祭」として復活させています。
錦天満宮錦市場の鎮守詳しく →
京都市中京区。京の台所と呼ばれる錦市場の東端にあり、学業に加えて商売繁盛もご利益に謳われています。
富岡八幡宮深川の八幡さま詳しく →
東京都江東区。周囲に門前町(現在の門前仲町)が形成され、干拓が進むにつれて商業地としても重んじられました。
筥崎宮三大八幡詳しく →
福岡市東区。商売繁盛・社運隆昌の祈願を専用の案内で受け付けています。
西宮神社当サイト未掲載
兵庫県西宮市。全国に約3,500社あるえびす神社の総本社とされ、「えびす宮総本社」を称します。
今宮戎神社当サイト未掲載
大阪市浪速区。商売繁盛の神「えべっさん」として知られ、毎年1月9日から11日にかけて十日戎が行われます。
伏見稲荷大社当サイト未掲載
京都市伏見区。全国に約3万社あるといわれる稲荷神社の総本宮とされ、稲荷山全体を神域とします。

※ 全国的に知られた社を挙げています。当サイトに掲載済みの社にはリンクがあり、「当サイト未掲載」とあるものは今後の収集対象です。並びは知名度や格の順ではありません。

当サイトの掲載社(掲載132社のうち20社)

上に挙げた4社をのぞき、総本宮・社格・称号の順に16社を表示しています。

宇佐神宮八幡総本宮別表神社豊前国一宮勅祭社
うさじんぐう ・ 大分県 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
石清水八幡宮二所宗廟別表神社二十二社勅祭社
いわしみずはちまんぐう ・ 京都府 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
鶴岡八幡宮
つるがおかはちまんぐう ・ 神奈川県 ・ 国幣中社出典で確認詳しく →
千栗八幡宮肥前国一宮別表神社
ちりくはちまんぐう ・ 佐賀県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
柞原八幡宮豊後国一宮別表神社
ゆすはらはちまんぐう ・ 大分県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
谷地八幡宮別表神社
やちはちまんぐう ・ 山形県 ・ 県社記事の記述から詳しく →
大宮八幡宮別表神社
おおみやはちまんぐう ・ 東京都 ・ 府社出典で確認詳しく →
湯島天満宮別表神社
ゆしまてんまんぐう ・ 東京都 ・ 府社出典で確認詳しく →
甲宗八幡神社別表神社
こうそうはちまんじんじゃ ・ 福岡県 ・ 県社祭神から詳しく →
鎮守府八幡宮
ちんじゅふはちまんぐう ・ 岩手県 ・ 県社出典で確認詳しく →
大分八幡宮
だいぶはちまんぐう ・ 福岡県 ・ 県社出典で確認詳しく →
大崎八幡宮国宝(社殿)別表神社
おおさきはちまんぐう ・ 宮城県 ・ 村社出典で確認詳しく →
若宮八幡宮社
わかみやはちまんぐうしゃ ・ 京都府 ・ 郷社記事の記述から詳しく →
富岡八幡宮(横浜)
とみおかはちまんぐう ・ 神奈川県 ・ 村社出典で確認詳しく →
壺井八幡宮
つぼいはちまんぐう ・ 大阪府 ・ 村社出典で確認詳しく →
金沢神社
かなざわじんじゃ ・ 石川県記事の記述から詳しく →

※ 並び順は旧社格(1946年に廃止された近代の格付け)と、総本宮・一宮などの称号にもとづくものです。格の高さがご利益の大きさを表すものではありません。 「祭神から」は、その社の主祭神に伝わるご利益から導いたもので、各社が公式の祈願名として掲げているとは限りません。

法人で受ける場合は「社運隆昌」の名で案内されることがあります

個人の商いは「商売繁盛」、会社や団体は「社運隆昌」「事業繁栄」と項目を分けている社があります。申し込みの際に屋号・社名を伝えると、祝詞にその名が読み上げられるのが一般的です。授与された神札は神棚や事務所の清浄な場所に納め、一年で新しくします。福笹や熊手は縁起物であって神札とは扱いが異なり、納める時期・方法は求めた社や市に従うのが通例です。初穂料・受付時間は社ごとに異なり、当サイトでは未確認の社が多くあります。参拝前に公式サイトでご確認ください。

商売繁盛のよくある質問

商売繁盛は稲荷神社かえびす神社でないといけませんか?▾
そのようなことはありません。八幡宮・天満宮をはじめ、多くの社が祈祷の項目に掲げています。えびす・稲荷はこの願いを担ってきた代表的な信仰であって、限定するものではありません。
熊手は毎年大きくするものですか?▾
商家の言い伝えとして語られることがありますが、決まりではありません。同じ大きさを続けても差し支えないとされます。
「商売繁盛」と「商売繁昌」はどちらが正しいですか?▾
どちらも使われます。社によって表記が異なるだけで、意味の違いはありません。
会社として祈祷を受けられますか?▾
受けられます。「社運隆昌」「事業繁栄」の名で法人向けの項目を設けている社が多くあります。
  • 熊手を年ごとに大きくするという習わしは商家に伝わる言い伝えで、神社の教えとして定められたものではありません。
  • えびす神を事代主神とするか蛭子神とするかは社によって異なり、一つに定まっていません。
最終確認日:2026-08-27