
交通安全
車祓い
安全
交通安全は、車や自転車、そして道中そのものの無事を願う祈願です。新しい車を迎えたとき、免許を取ったとき、長い運行を始めるときに受ける人が多く、車を境内に入れて祓う「車祓い」を受け付ける社が多くあります。車を持たない人が守札だけを受ける形も一般的です。筥崎宮のように、車祓い・海上安全・旅行安全をひとまとまりの願意として案内する社もあります。
道中安全から交通安全へ——祈りの対象が乗り物に移った
峠や渡しを越える旅がまだ危険だった時代、人々は道の神に旅の無事を願いました。道を導く神とされる猿田彦大神が各地の辻に祀られてきたのも、この願いの延長にあります。自動車が生活に入ってくると、同じ祈りは乗り物そのものへ向けられるようになりました。今日の交通安全祈願は、運転する人の無事と、車という道具の安全を合わせて願うものです。神社の祈願のなかでは新しい部類に入り、東京都国立市の谷保天満宮は、1908年(明治41年)に日本初のドライブツアーとされる遠乗会の一行が境内の梅林で昼食会を開いたことにちなみ、「交通安全祈願発祥の地」を掲げています。
どんなときに受ける祈願か
新しい車を迎えたとき
亀戸天神社は「新車祓い・交通安全」をひとつの祈願として案内しています。中古車を求めたときや買い替えたときに受ける形もあり、新車に限る決まりはありません。
旅に出るとき
車に限りません。筥崎宮は「交通安全 車祓/海上安全/旅行安全」を同じ項目にまとめ、大宮八幡宮・太宰府天満宮も旅行安全を願意に掲げています。
車を持っていなくても
守札だけを受ける形が一般的です。大崎八幡宮は交通安全守を「日常生活では欠かせなくなった車やオートバイでのお出かけや、旅行等の交通安全を祈願したお守り」と説明しています。
交通安全の基本——車祓い・授与品・前身の祈り
祈願の中身と、車祓いの受け方の目安です。車を境内に入れる形が一般的で、受付の場所や順路は社によって大きく違います。
主に祈願される時期
通年
新車の購入時・免許取得時に受ける人が多く見られます
よく見る授与品
交通安全守・車札・ステッカー
車祓い
車を境内に入れて祓う形が一般的
受付場所・順路は社ごとに異なります
前身にあたる祈り
道中安全・旅行安全
旅の無事を願う祈りが、自動車の普及とともに交通安全へ
交通安全と結びつく神さま
交通安全に総本社はありません。道を導く神とされる猿田彦大神が古くからの中心にいますが、実際にこの祈願を掲げているのは、地域の鎮守として暮らしの変化に応じて項目を広げてきた社です。
猿田彦大神
天孫降臨のとき道案内をしたと伝えられ、道を導く神とされます。八幡・天神とは別系統ですが、道と旅にまつわる祈願の中心にいる神です。
八幡宮が交通安全を掲げるのは、この神が道の神だからではありません。氏神・鎮守として暮らし全般の安全を引き受けてきた社が、生活の変化に応じて祈願の項目を広げた結果です。
交通安全の神社
全国で名高い社
交通安全で名の知られた社は三つの筋に分かれます。自動車の時代の始まりに立ち会った社、車祓いの設備を整えて日々受け付けている社、そして道の神そのものを祀る社です。
谷保天満宮交通安全祈願発祥の地を掲げる詳しく →
東京都国立市。1908年の遠乗会にちなんで交通安全祈願発祥の地を掲げ、12月には境内にクラシックカーが集まる旧車祭が行われます。
筥崎宮三大八幡詳しく →
福岡市東区。「交通安全 車祓/海上安全/旅行安全」をひとつの項目にまとめて受け付けています。
富岡八幡宮深川の八幡さま詳しく →
東京都江東区。祈祷案内に交通安全・自動車祓が掲げられています。
大崎八幡宮国宝の社殿詳しく →
仙台市青葉区。交通安全守の授与と車祓いを受け付けており、守は車・オートバイ・旅行を対象と説明しています。
猿田彦神社当サイト未掲載
三重県伊勢市。道を導く神とされる猿田彦大神を祀り、方位除けとあわせて道中の安全を願う参拝者が訪れます。
※ 全国的に知られた社を挙げています。当サイトに掲載済みの社にはリンクがあり、「当サイト未掲載」とあるものは今後の収集対象です。並びは知名度や格の順ではありません。
当サイトの掲載社(掲載132社のうち19社)
上に挙げた4社をのぞき、総本宮・社格・称号の順に15社を表示しています。
宇佐神宮八幡総本宮別表神社豊前国一宮勅祭社
うさじんぐう ・ 大分県 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
石清水八幡宮二所宗廟別表神社二十二社勅祭社
いわしみずはちまんぐう ・ 京都府 ・ 官幣大社出典で確認詳しく →
新田神社薩摩国一宮別表神社
にったじんじゃ ・ 鹿児島県 ・ 国幣中社出典で確認詳しく →
鶴岡八幡宮
つるがおかはちまんぐう ・ 神奈川県 ・ 国幣中社出典で確認詳しく →
藤崎八旛宮別表神社
ふじさきはちまんぐう ・ 熊本県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
千栗八幡宮肥前国一宮別表神社
ちりくはちまんぐう ・ 佐賀県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
柞原八幡宮豊後国一宮別表神社
ゆすはらはちまんぐう ・ 大分県 ・ 国幣小社出典で確認詳しく →
大宮八幡宮別表神社
おおみやはちまんぐう ・ 東京都 ・ 府社出典で確認詳しく →
甲宗八幡神社別表神社
こうそうはちまんじんじゃ ・ 福岡県 ・ 県社祭神から詳しく →
鎮守府八幡宮
ちんじゅふはちまんぐう ・ 岩手県 ・ 県社出典で確認詳しく →
手向山八幡宮
たむけやまはちまんぐう ・ 奈良県 ・ 県社出典で確認詳しく →
大分八幡宮
だいぶはちまんぐう ・ 福岡県 ・ 県社出典で確認詳しく →
富岡八幡宮(横浜)
とみおかはちまんぐう ・ 神奈川県 ・ 村社出典で確認詳しく →
壺井八幡宮
つぼいはちまんぐう ・ 大阪府 ・ 村社出典で確認詳しく →
金沢神社
かなざわじんじゃ ・ 石川県記事の記述から詳しく →
※ 並び順は旧社格(1946年に廃止された近代の格付け)と、総本宮・一宮などの称号にもとづくものです。格の高さがご利益の大きさを表すものではありません。 「祭神から」は、その社の主祭神に伝わるご利益から導いたもので、各社が公式の祈願名として掲げているとは限りません。
車祓いを受けるときに持って行くもの
多くの社では、祓いを受ける車をそのまま境内の所定の場所に入れます。受付で車検証の提示を求められることがあるため、車に載せたままにしておくと手続きが早く済みます。ナンバープレートを控える社もあります。授与された守札は、視界をさえぎらない場所に納めるのが通例です。受付時間・初穂料・車の乗り入れ経路は社ごとに大きく異なり、当サイトでは未確認の社が多くあります。参拝前に公式サイトでご確認ください。
交通安全のよくある質問
車を持っていなくても交通安全の祈願はできますか?▾
できます。自転車や徒歩での通学・通勤の安全を願って受ける方もいます。守札のみを受けることも一般的です。
車祓いは新車のときだけですか?▾
決まりはありません。中古車を求めたとき、車を買い替えたとき、長距離の運行を始めるときなどに受ける方もいます。
旅行安全・海上安全とは別の祈願ですか?▾
社によります。筥崎宮は「交通安全 車祓/海上安全/旅行安全」を同じ項目にまとめており、太宰府天満宮は旅行安全・海上安全をそれぞれ別の願意として挙げています。
ステッカーはどこに貼ればよいですか?▾
決まった作法はありません。視界や表示をさえぎらない位置に貼るのが通例です。
古い交通安全のお守りはどうすればよいですか?▾
多くの社に古札を納める場所があります。授与された社に納めるのが基本とされますが、遠方の場合は近くの社に相談してください。
- 交通安全は自動車の普及以降に広まった比較的新しい祈願で、古代からの由緒に直接さかのぼるものではありません。
- 「交通安全祈願発祥の地」は各社が掲げる呼称で、公的に認定されたものではありません。
最終確認日:2026-08-27